Apple

M1 Mac miniの半年間使用レビュー

2020年、AppleはMacシリーズにおいて、インテル製チップから自社製の独自チップ、Appleシリコンへの移行を発表した。

その第1弾としてM1チップを搭載したMacがリリースされた。

従来のインテル製品よりも性能が大幅に向上したとして、ブログやYouTubeでも操作性やソフトの挙動が快適になったと絶賛されている。

僕は以前からデスクトップのMacが気になっており、中でもMac miniに興味があった。

しかしインテル製のMac miniはベンチマークスコアで見ると性能が低く、購入にためらいがあった。

そんな中、M1チップを搭載したMac miniが発売され、各方面で絶賛されていたので思い切って購入してみた。

M1 Mac miniのスペックや特徴に加え、ライトユーザーな僕の視点から使用レビューを紹介していこうと思う。

M1 Mac miniのスペック

僕が購入したMac miniはこちら。

CPUM1チップ
メモリ8G
ストレージ512GB
インターフェースUSB-A、USB-C、HDMI、イヤホンジャック、Ethernet
Wi-FiWi-Fi6対応
サイズ17.9×17.9×3.6(cm)
重量1.2kg
同梱物電源ケーブル

Wi-Fiにも対応で有線接続しなくてもネットに繋がるので安心して欲しい。

同梱物は電源ケーブルのみ

M1 Mac miniの特徴

M1チップで性能が大幅に向上

公式によると、M1チップを搭載したMac miniはインテル版よりCPU性能が最大で3倍、GPU性能が最大で6倍向上した。

ベンチマーク(実際の使われ方を想定したテストを数値化したもの)の結果を見ても、シングルスコア、マルチスコアでともに従来のインテル版より性能が大幅に向上していることがわかる。

シングルスコア:ベンチマーク公開サイトより
マルチスコア:ベンチマーク公開サイトより

第8世代のCore – i7モデルよりシングルで約70%、マルチで約35%も性能がアップしている。各方面で絶賛されるのもうなずける。

本体とディスプレイは別

iMacと異なり、ディスプレイはないので自分で購入する必要がある。

僕は27インチのLG4Kディスプレイと接続している。

他にも31.5インチや35インチウルトラワイドモニターなど、使用シーンに合わせてさまざまなモニターを接続できるので拡張性の幅が広い。

自分の好きなディスプレイを選べるメリットがある反面、ディスプレイの追加購入で思いも寄らない追加費用が発生したり、コードが増えてしまうデメリットもある。

デスクトップとしてはコンパクト

通常のデスクトップパソコンに比べるとかなり小さい

面積でいくと9.7インチのiPadと同じくらいの大きさ。

重量も1.2kgなので片手で持ち上がる。

ただし、いくら軽いと言っても油断すると落っこしそうになるので注意。

会社で使っているWindowsのパソコンはかなりの高さがあり、設置場所によっては隣の席の壁にもなるくらいのサイズ感。

もちろん両手を使わないと持ち上がらないほど重いし場所も取る。

Mac miniは小さくて軽く、場所も取らない。

会社から帰宅して自分のデスクに向かうたびにそのコンパクトさを実感している。

M1チップ搭載機の中ではインターフェースが豊富

同じM1チップを搭載したMacBook ProやMacBook Air、iMacはUSB-C端子しかついていない。

MacBook Pro:Apple公式サイトより
iMac:アップル公式サイトより

一方でMac miniはUSB-C端子に加えてUSAB-A、HDMIなどが搭載されている。

Mac mini:Apple公式サイトより

新たにUSBハブを揃えなくて済むので便利だ。

加えて、iMacはインターフェースが本体の背面にしかついていない。

機器の差し替えの時に背面を覗き込むのは少し面倒に感じそうだが、デスクトップ型のMac miniは自分の好きな位置に設置できるので差し替えがしやすいと思う。

Mac miniは現状、他のM1搭載のMacシリーズよりインターフェースの豊富さ、アクセス性の良さで優位にたてている。

ディスプレイの接続は2台まで

USB-C端子とHDMI端子で1台ずつ、合計2台までディスプレイを接続可能。

USB-C6Kまで対応(フルHD,4K,6K)
HDMI4Kまで対応(フルHD,4K)

ただし、インテルモデルは3台まで接続できたので接続台数は少なくなっている。

普段使い用なら2台も繋げられれば十分だと思うが、3台繋げたい人はインテル版を買おう。

使ってみた感想

ライトユーザーならメモリ8Gで十分

ライトユーザーの定義はいろんな解釈があると思うが、僕の例でいくと、主に以下の作業を行なっている。

  • YouTubeやAmazonで動画視聴
  • パワポ、エクセル、ワードで書類作成
  • ワードプレスでブログ執筆
  • 簡単なプログラミングの練習
  • 純正の写真アプリで画像編集
  • iMovieで簡単な動画編集
  • タブを5〜10個ほど開いてブラウジング
  • Kindleやhontoで読書

この程度の使い方ならメモリは8Gで十分。スペック不足を感じたシーンはほとんどない。

ただし、100MG以上の画像データを何枚か表示すると反応が遅くなることはある。

高負荷のかかるゲームや本格的な動画・画像編集などする場合はメモリ8Gではたりないと言う意見があるので、その場合は16Gを選ぼう。

MacBookから乗り換えてもキーチェーンが使える

MacBook Proから乗り換えて不安だったのが、キーチェーンが使えるかどうかだった。

MacBook Proを使っていたときはtouch IDでキーチェーンを作動させていたので、使えるかどうか心配だった。

実際には キーチェーンは問題なく使える。

パスワード入力画面に行くと、このようにキーチェーンのアイコンが表示され、マウスでクリックするとパスワードが自動入力される。

ただ、これだと指紋認証はしないので、ログイン状態なら誰でもキーチェーンを使うことができる。

そのためセキュリティはタッチIDより劣る。

とはいえ、デスクトップなら外に持ち出す事もないのでそこまで気にする必要はない。

M1搭載のiMacにセットでついているtouch ID付きのApple純正キーボードが単品で販売されるのを待つという手もある。

デメリット

価格がiMacとそれほど変わらないこともある

Mac miniは本体価格だけ見ればMac最安値であることに違いない。しかし、忘れてはならないのが同梱品は電源コードのみという事実だ。

ディスプレイやマウス、キーボードなどの周辺機器は自分で揃える必要がある。

僕がMac miniに合わせて買ったLGの27インチ4Kディスプレイ(USB-C端子付き)は約5万6,000円、キーボードはApple純正品で約1万円。

マウスは元々持っていたワイヤレスマウス(2,000円ほど)を流用したが、それでも追加で6万円かかってしまっている。

本体が約10万円なので、合計で約16万円。

同じスペックの、メモリ8Gで512GBストレージの24インチiMacは、ディスプレイ、Apple純正キーボード、Apple純正マジックマウス(約9,000円)が全て込みで176,000円。

それほど価格が変わらないことがわかる。

ただし、ディスプレイのスペックを少し変えたり、キーボードやマウスをわざわざ純正品で揃えなければかなり費用を抑えることができる。

例えば、先ほど書いたLGの27インチ4Kディスプレイは、たった1つのUSB-C端子の有無だけで価格が10,000円以上も変わってくる。

USB-C端子がない方のモデルはおそらく40,000円以内で購入できるはずだ。

キーボードやマウスも5,000円くらいのものを揃えればだいぶ安上がりになる。

揃える周辺機器によっては価格が大幅に変わってくるので、場合によってはiMacの方がコスパがいいので注意しよう。

コードが多い

iMacはディスプレイと本体が一体化しているので、電源コード一本で済ますことができる。

一方Mac miniは、本体とディスプレイ、本体と電源、ディスプレイと電源をコードで繋ぐ必要がある。つまり最低3本のコードが必要になるということだ。

そこからさらにスマホやタブレットの充電コードなどを追加したらもう配線地獄。

配線を工夫しないとごちゃごちゃして不快な作業デスクになってしまう。僕は有効な対策が思いつかなかったので、とりあえずディスプレイの背面に隠して見えないようにしている。

ディスプレイの接触不良

半年使って2回ほど、ディスプレイが表示されなくなったことがあった。

  • 信号をうまく受信できない
  • ケーブルの接触不良

本体とディスプレイの相性の問題なのか、信号が受信できずに何度もケーブルを差し直してようやく直った。

接触不良も、ケーブル接続がだんだん緩んできて接触不良でディスプレイが出力されなくなることがあった。

ただし、外部ディスプレイを使うことはメリットになる事もありそうだ。

一体型のiMacは、ディスプレイが映らなくなると自分でケーブルの差し替えができないので、その時点で修理・交換しないとけない。

時間や手間はもちろんだが、場合によっては本体価格と同等の追加費用が発生し、新しく買い替えた方がいいということもある。

対してMac miniならケーブルの差し替えやディスプレイの追加購入くらいで対処できるので時間や費用を節約できる。

なので接触不良があるとはいえ、外付けディスプレイはメリットにもなり得る。

まとめ

M1 Mac miniのスペックと半年間使用したレビューを紹介した。

性能が大幅に向上したので、今までならMac miniでできなかった作業も快適に行えるようになったと思う。

ライトユーザーならメモリ8Gの通常モデルでも困ることはほとんどない。

本体と電源だけなので周辺機器は自分で揃える必要がある。それなりの質のものを揃えると案外価格が高くなってしまう。また、コードも増えるので机の整理も必要になってくる。

初めてのデスクトップMacなら、ディスプレイ、マウス、キーボードが全て揃って配線もスッキリしたiMacを購入する方が安心という事もある。

  • Mac miniに興味はあったがインテル版は性能的に不安があった
  • すでにディスプレイやマウス、キーボードを持っている
  • 自分の好きなサイズ、形状のディスプレイを繋ぎたい
  • インターフェースの豊富さに魅力を感じる
  • 自分で調べて周辺機器を安く揃えられる

このような人にオススメできると思う。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA