iPhone 12、12miniは買い?スペックを11や初代SEと比較してみた
2020年10月、iPhone 12シリーズが発表された。
iPhone初の5G対応ということで注目度が高く、発表を心待ちにしていた人も多いことだろう。
ここではProモデルは置いといて、iPhone12と12miniに興味がある人に向けてiPhone11や初代SEとスペックやサイズ感を比較し、また5Gの対応についても考察しながら買いかどうか見ていこうと思う。
目次
iPhone 12とiPhone 11の比較
まずは前モデルからどれだけ性能が上がったかを比較してみよう。
重要と思われる箇所をピックアップして12と11のスペックを表にまとめた。
iPhone 12 | iPhone 11 | |
ディスプレイ | 6.1インチ Super Retina ディスプレイ | 6.1インチ Liquid Retinaディスプレイ |
サイズ、重量 | 146.7×71.5×7.4、162g | 150.9×75.7×8.3、194g |
チップ | A14 Bionic | A13 Bionic |
カメラのレンズ | 超広角、広角 | 超広角、広角 |
カメラ、動画撮影 | ナイトモード、Dolby Vision対応HDRビデオ撮影 | ナイトモードのみ |
フロントカメラ(自撮りに使う方) | ナイトモード、Dolby Vision対応HDRビデオ撮影 | 非対応 |
耐落下性 | 4倍向上 | |
耐水性 | 6メートルで最大30分 | 2メートルで最大30分 |
バッテリー | 最大17時間のビデオ再生 | 最大17時間のビデオ再生 |
通信 | Wi-Fi6、5G(Sub -6GHz) | Wi-Fi6、4G |
価格 | 85,800円から | 74,800円から |
Super Retina ディスプレイは解像度が大幅に向上した。画質の細かさを示すppiが11では326に対し、12は460となっている。
画面サイズは同じだが、ベゼルと厚さを削ったため重量は約30g軽くなった。
A14 BionicはA13よりも処理能力が30%ほど向上。
耐落下性は、具体的な数値はないが11より4倍強いらしい。耐水性も大幅にアップした。
詳しい比較は以下のアップル公式サイトで比較しよう
https://www.apple.com/jp/iphone/compare/?device1=iphone11&device2=iphone12pro&device3=iphone12mini
今回特に注目すべき点はカメラ性能と5Gだろう。
ハリウッドレベルのビデオ撮影、フロントカメラのナイトモード
カメラ性能では、Dolby Vision対応HDRビデオ撮影に対応した。これにより、ハリウッドスタジオレベルのビデオをiPhoneで簡単に撮影できるようになった。
Dolby VisionはHDRの規格の一つ。HDRとはハイダイナミックレンジの略で、自然な、より肉眼に近い明るさを表現できる技術のこと。
そしてDolby VisionはHDR規格の中でも最高品質の明るさ表現を誇る。
Dolby Vision規格で動画を保存する場合、通常の流れとしては大まかにいうと、
- 撮影
- 撮影した動画の明るさをDolby Visionで補正
- 保存
となるようだ。
撮影した動画データをDolby Visionで補正するには高度な機材を使う必要があり、時間も手間もかかる。
しかし、iPhone 12で撮影された動画はA14 Bionicの処理能力のおかげで自動的に明るさが補正される。そのため先ほどの2.の手順を省いて撮影→保存となる。
手間をかけることなく手軽にDolby Visionビデオを撮影できるというわけだ。
Dolby Visionは外側カメラでもフロントカメラでも撮影可能。
僕はビデオ撮影はしないしDolby Visionという言葉すら知らなかったのだが、調べてみてその凄さを感じ取ることができた。
普段から動画撮影する人にとっては素晴らしい機能なのではないだろうか。ビデオ撮影に興味がなかった人でもiPhone 12シリーズの購入がビデオを撮るきっかけになるかもしれない。
もう一つの進化は、フロントカメラでもナイトモードで撮影可能になったこと。これで暗闇でも自然な自撮りができそうだ。
iPhone 12は表裏どちらのカメラでもナイトモード、Dolby Vision対応HDRビデオ撮影に対応している。動画撮影や自撮りの幅が一気に増えること間違いなし。
参考
https://www.eizo.co.jp/eizolibrary/color_management/hdr/
https://bitwave.showcase-tv.com/iphone12-dolby-vision/
5GはSub -6のみ
iPhone 12はうわさ通りiPhone史上初めて5Gが搭載された。と言っても日本版はSub -6GHzの方。5Gには大まかにSub -6とミリ波の2種類あり、5G本来の速度を出せるのはミリ波のほうだ。
日本ではミリ波基地局が整備されていないので、日本市場向けのiPhone 12はSub -6対応にとどまった形だ。これはイギリスやカナダ、韓国や香港も同じで、ミリ波に対応しているiPhone 12はアメリカ版だけ。
Sub -6でも4Gに比べてある程度は速くなるが、噂されているような100倍とかいう劇的な高速通信は見込めない。
そのため、今回のiPhone 12では5Gはそれほど重要な要素ではない。先ほどのDolby Vision対応HDRビデオ撮影やフロントカメラでのナイトモード撮影の方が大きなアップデートだ。
12と12miniの違い
両者の違いが気になった人も多いと思うが、ありがたいことに細かい性能差は全くない。
違いがあるのは大きさやバッテリー容量、価格だけ。
iPhone 12 | iPhone 12mini | |
ディスプレイ | 6.1インチ | 5.4インチ |
サイズ、重量 | 146.7×71.5×7.4、162g | 131.5×64.2×7.4、133g |
バッテリー | 最大17時間のビデオ再生 | 最大15時間のビデオ再生 |
価格 | 85,800円から | 74,800円から |
つまり、コンパクトで軽くて安い方を取るか、大画面でバーテリー容量が多い方を取るかの2択。それほど迷わずに購入できるだろう。
12miniと初代SEの比較
角ばったデザインと小さなボディから、12miniと初代SEを比較する人も多かったのではないだろうか。そこでこの2つのモデルを、サイズや重量に焦点を当てて比較してみた。
iPhone 12 mini | SE | |
ディスプレイ | 5.4インチ | 4インチ |
サイズ | 131.5×64.2×7.4 | 123.8×58.6×7.6 |
重量 | 133g | 113g |
ディスプレイは大幅に拡大されたのに対し、サイズはほとんど変わっていない。厚さに関しては12miniの方が薄くなっており、重量はSEに比べて20gしか増えていない。
iPhone 12miniは、初代SEからホームボタンを廃止して画面を拡大し、チップ、カメラ、通信などの性能を大幅に向上させたようなものだ。
2020年10月現在、初代SEを使っている僕にとってはとても魅力的なサイズ感だと思う。
ミリ波に対応しそうなiPhone 13(仮)を待つべきか
先ほど述べたようにミリ波対応しているのはアメリカ版のiPhone 12だけ。
しかし、裏を返せば12の時点でミリ波に対応する下地はできており、あとは市場におけるミリ波基地局の普及率で対応するかどうかを変えていくことになるだろう。
今後1年で日本でもミリ波基地局が整備されてくれば、来年にもミリ波対応のiPhone13(仮)が発売される可能性がある。たとえ1年後に普及してくても、今後の普及を見越してミリ波対応してくることもありうる。
このことを考慮すると、バッテリー持ちが悪いとか本体に不具合がある場合を除いて13を待つ方がいいかもしれない。
ただし来年の13が100%ミリ波に対応するとも限らない。基地局の普及が遅く、ミリ波対応が見送りになることも十分に考えられる。
また、基地局が完全に全国的に整備されるまでは時間がかかる。最初に整備されるのはやはり大都市や一部の地方都市に限定されるだろう。ミリ波対応のiPhoneを持っているのに自分の住んでいる地域でミリ波の基地局がなければ意味がない。
東京や大阪周辺に住んでいるのでなければ、今のところはミリ波にこだわる必要はない。
そもそも、個人で大容量のデータを高速でやり取りをする機会・必要性は現時点ではほとんどない。仮にミリ波が整備されても当面は業務利用に留まると思う。
なので個人的にはミリ波については決定打にならないと考えている。
むしろ、決め手となるのはデザインやサイズ感、Dolby Vision対応HDRビデオ撮影をどう捉えるかだ。
これらに魅力を感じたら購入するべきだし、そうでないなら13待(仮)を待つべきだ。
まとめ
前モデルに比べてチップ、カメラ性能、ビデオ撮影、通信など全体的にスペック向上を果たした。
特にビデオ撮影に関しては手軽にハリウッドスタジオレベルの動画を撮影できるようになり、ハリウッドのスタジオをポケットに入れて持ち運べるようになった。ここが大きな進化だと思う。
5Gに関してはSub -6のみの対応だが、ミリ波が使えるようになるのはまだ先なのでそれほど問題はない。むしろ大事なのはデザインやサイズ感、ビデオ撮影の方だ。
これらを総合的に見ると買いと言っていいと思う。
デザインやディスプレイ、カメラ・ビデオ性能、処理速度、ミリ波に対応するかどうかを考慮して、iPhone12が必要かどうかを見極めた上で自分の中で納得してから購入しよう。