ヨーロッパで飲み水に困ったときのおすすめ軟水ブランドと硬度の計算方法
以前ヨーロッパを訪れた際、飲料水の不味さに驚いたことがある。
普段日本で飲むのは軟水であるのに対し、ヨーロッパでは硬水が一般的だ。硬水はクセが強く口当たりも軟水とはだいぶ違うので、体質に合わないとせっかくの旅行や滞在も気が滅入ってしまう。
今回、軟水と硬水の違いを知ってもらうと共に、記憶を元にヨーロッパ滞在中に見つけたおすすめの軟水ブランドを紹介したていきたい。
軟水と硬水の違い
軟水と硬水の違いは含まれているカルシウムとマグネシウムの量の違いによる。
水には主にカルシウムイオンとマグネシウムイオンが含まれていて、水1000ml中に溶けているカルシウムとマグネシウムの量を表わした数値を「硬度」といいます。
WHO(世界保健機関)の基準では、硬度が0~60mg/l 未満を「軟水」、60~120mg/l 未満を「中程度の軟水」、120~180mg/l 未満を「硬水」、180mg/l以上を「非常な硬水」といいます。簡単にいうと、カルシウムとマグネシウムが比較的多く含まれる水が硬水になります。
一般的には、硬度0~100mg/lを軟水、101~300mg/lを中硬水、301mg/l以上を硬水に分けられます。
見た目は同じですが、まろやかに感じたり重々しく感じたり、水にも風味があるのはこのため。成分の違いから、一般的に軟水は口当たりが軽く、硬水はマグネシウムが多いほどしっかりした飲みごたえを感じるようです。
日本の水のほとんどが軟水で、ヨーロッパや北米には硬水が多く存在します。
https://www.evian.co.jp/water/type/04/
日本では硬度が60mg/L以下の水が多いようなので、軟水か硬水かは60mg/Lを基準に考えればいいと思う。
ヨーロッパで硬水が多い理由
ヨーロッパで硬水が多いのは、地中に染み込んだ雨水が長時間浸透し、その過程でカルシウムやマグネシウムを多く吸い取っていることが要因の一つと考えられている。
また、食文化とも関連しており、肉料理が多いために不足がちなカルシウムやマグネシウムを硬水で補うという意味もある。それゆえヨーロッパでは硬水が人気で店頭でも硬水が並んでいる。
硬水の口当たり
硬水が不味いという事は聞いていが、今まで飲んだことがなかった(それか記憶になかった)ので飲んでみるまではどれほどのものかわからなかった。実際に飲んでみると割と無理だった。
口当たりは重いというか硬い感じでクセが強い。
ヨーロッパにきて硬水が合わなくて体を壊す人もいるようだが、幸い僕の場合は大丈夫だった。とは言え水が美味しくないというのは割と死活問題で、特に夏のヨーロッパで喉が渇いた時に不味い硬水しか選択肢がないというのはキツイ。
Volvic(ボルヴィック)とLevissima(レヴィッシマ)
滞在中に色々試した結果、フランスのVolvic(ボルヴィック)とイタリアのLevissima(レヴィッシマ)というブランドが日本の飲料水と同じ感覚で飲める水であると分かった。
https://www.kirin.co.jp/products/list/item/softdrink/volvic_pet.html https://www.levissima.it/acqua/naturale/naturale-50-cl-eco/
最初にフランスでVolvicを見つけ、それ以降はずっと飲んでいた。イタリアでは見かけなかったが、なんとなく緑のラベルという共通点からLevissimaを手に取ったら当たりだったという感じ。慣れないヨーロッパで、水も合わず心細さを感じていたときに美味しい水が手に入った感動はすごい(小並感)
美味しい水が手に入るだけで旅行の楽しさも変わるということを感じた。
調べによると、Volvicはフランスの飲料水メーカーでキリンビバレッジが日本でも販売しており、サイトの記述から軟水であることがわかった。
Levissimaはイタリアの飲料メーカーでサイトもイタリア語で何が書いてあるのかわからないが、飲んだ感覚だと軟水だと思う。
硬水が一般的なヨーロッパではこれらの軟水はあまり人気がないらしい。Volvicはフランス・ドイツで、Levissimaはイタリアで見かけた。が、イギリスとスペイン、スイスでは見つけられなかった。
硬度の求め方
硬度は商品ラベルに表記されていることもあるが、されていない場合でもカルシウム量とマグネシウム量から求めることもできる。以下の式に当てはめる。
硬度(mg/L) = カルシウム(mg/L)×2.5 + マグネシウム(mg/L)×4
単位に注意。(mg/L)かどうか確認しよう。
実際の商品情報から硬度を計算してみた。
まずはVolvic
まず、(MG/L)という表記から、単位はそのままで計算できる。
- カルシウム:12(mg/L)
- マグネシウム:8(mg/L)
として先ほどの計算式に当てはめてみると、
12×2.5 + 8×4 = 62(mg/L)
60mg/Lを少し超えているがほぼ軟水と言っていい。このレベルならそれほど違和感なく飲める。
次にLevissima
こちらも単位はmg/Lなのでそのまま計算できる。
- カルシウム:19.9≒20(mg/L)
- マグネシウム:1.7(mg/L)
として計算式に当てはめると
20×2.5 + 1.7×4 = 56.8(mg/L)
60mg/L以内に収まっている。計算した結果からも、これらのブランドは比較的軟水よりであるということがわかったと思う。
ちなみにスイスで飲んでいたEvianはというと…
単位は(mg/L)なのでそのまま計算できる。
- カルシウム:80(mg/L)
- マグネシウム:26(mg/L)
80×2.5 + 26×4 = 304(mg/L)
先ほどのVolvicやLevissimaの5倍もの硬度を誇る。このレベルはかなりクセが強く、息を止めないと飲めない。
まとめ
軟水と硬水の違い、硬度の計算方法、ヨーロッパにおけるおすすめの軟水ブランドについて紹介した。
ヨーロッパで飲み水に困ったらとりあえずVolvic(ボルヴィック)とLevissima(レヴィッシマ)を探してみよう。フランス・イタリア以外のヨーロッパ、あるいは他の国や地域でも海外で飲料を買う際は紹介した計算式を活用して美味しい水を手に入れよう。