【コロナウイルス第二波】PCR検査体制と陽性率からみる感染拡大の波
ここ1週間でコロナウイルスの統計データの追跡調査を行なってきた。
前回、日本とオーストラリアの二つの国で先週の時点で第二波の兆候が出ており、すでにメルボルンはロックダウン第二弾を発動したことを伝えた。
引き続き日本とオーストラリアの感染者の推移を示しつつ、今回は日本のPCR検査人数と感染者数の増加の関連を調べ、第二波が起きているか更に検証した。
日本とオーストラリアの感染者数推移
前回の記事からわずか2日後のデータを示す。
この急激な伸びを見ると、どちらの国も二つ目の山に向かっているように見えてならない。
次に、全期間のデータを示す。
日本は新規感染者が最も多かったときで750人くらい。現在の新規感染者は最も多かったときの約40%に当たるということだ。
それに対し、オーストラリアは新規感染者が最も多かったときで450人くらい。現在の新規感染者は、最も多かったときの約66%にも相当する。
伸び率では若干オーストラリアが先行している。そのためオーストラリア政府の動きを参考にしつつ、日本でも近々重大な対策が発表されるのではないだろうか。
日本におけるPCR検査人数と陽性者数
感染者数は増えた訳だが、検査可能人数や検査を行なった人数がどれだけ増えたかよっても統計データは変わってくるので、感染者数だけみて騒ぎすぎるのもよくない。
陽性者数の伸び率が検査数の伸び率以下になっていればそれほど問題ではないからだ。
例えば検査人数が2倍になって陽性者数も2倍になったら、検査数が増えたんだから陽性者数が増えるのもまあ仕方ないと思うだろう。そこまで大きな驚きはない。
検査数が2倍になったのに対して陽性者数が1.5倍だったとすると、陽性者数の伸び率が検査数の伸び率を下回っているのでいい傾向にあることがわかる。
逆に検査数が2倍になったら陽性者数が3倍になったとなると、悪い兆候を示している。
日本のPCR検査の実施人数の推移がどれだけなのか調べてみた。
グラフ右上の人数は最新の1日における検査人数、カッコ内は累計検査数を示している。
グラフを見ると、検査人数は少しづつ増えてきているのがわかる。
3月の段階では1日4000人に満たなかった検査人数が4月には4000人に達し、ばらつきこそあるが多い日で8000人を越えている。5月には1日1万人を越える人数の検査もできている。6月あたりは突発的な伸びはないものの、コンスタントに4000人以上、6月後半〜7月にかけては6000人以上検査できているようだ。
検査体制が整ってきたことに加え、自主的に検査に行く人が増えた、あるいは夜の町関係者などを強制的に検査を行なったのが検査人数が増えてきた要因だろう。
検査体制が整えば検査可能人数が増え、今まで見落とされていた陽性患者も出てくることと思う。
また、グラフを見ると7月11日時点で人口1億2000万に対してたったの44.4万人、人口比で0.37%しか実施していないことがわかる。
このことからまだまだ検査していない人がたくさんおり、これからより検査が増えれば、その分も陽性患者数が増えるポテンシャルはある。
では、本題の陽性者数の伸びはどうだろうか。
先ほどの検査人数のグラフと比べてみると…
5月23日からの検査数と陽性者数を比べてみると、検査数の増加は比例のような一直線の右肩上がりのグラフとなっているのに対し、陽性者数は指数関数のような急激な上昇を示している。
5月〜6月上旬は検査数が増えているが感染者数はほぼ横ばいでいい傾向が続いていた。ところが6月中旬から7月にかけては検査数の増加率よりも感染者数の増加率が上回り、悪い傾向に変化してしまったことを示している。
第二波は起きている
最近は特に夜の街関連の人を対象に検査を拡大しているようなので、陽性者数が急激に増えるのは当然と言えば当然の結果だろう。
連日ホストクラブやキャバクラがでクラスター発生と言った報道が世間を賑わせているように感じる。コロナが拡散しそうな場所や人に的を絞って検査すればどうしても陽性者数は急激に増えてしまう。
ただ、この夜の街関連から新たなクラスターに派生するリスクは極めて高いし実際にすでに起きていると思う。
なのでこれらを踏まえても第二波は起きていると結論して良いのではないだろうか。
まとめと万一コロナにかかったときに備えて
感染者数の増加を受けて、PCR検査数と陽性者数のグラフを比較した結果、陽性者数の増加率が検査数を上回り始めていることがわかった。
検査対象をどのように絞るかによっても増加率は変わってくるが、そこが新たなクラスター源となって感染者数増加につながることを考えると、すでに第二波が発生していると言っていい状況だ。
コロナウイルスは依然として日本で収束しておらず、世界で猛威を奮っている。重症化すると数日で命の危機にさらされるので慎重に行動してもしすぎることはない。
万が一コロナウイルスの感染の兆候が確認された場合の連絡先や、コロナウイルスに関する相談は以下の厚生労働省のリンクで確認できるのでチェックしておこう。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/covid19-kikokusyasessyokusya.html