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ヨーロッパ周遊を割と詳細に振り返ってみた【イタリア、ミラノ・ヴェネチア・フィレンツェ】

イタリア

ミラノ

スイスからヴェネチアに行く前にミラノで途中下車して市内を散策した。

ヴェネチア行きの鉄道を15ユーロほどで購入した。

ミラノ〜ヴェネチア間はただの長距離鉄道で行くと3時間かかるが、スピードの速いフレッチャロッサというかっこいい名前の鉄道だと2時間くらいで行く事ができる。

イタリア語で炎の矢の意。意味もかっこよかった笑

トレニタリア公式サイトhttps://www.italiarail.com/italian-high-speed-trainsから

最高時速400kmらしいのでかなり早い!まさに炎の矢。紅蓮の弓矢感もある。

ただし値段が高いので節約のため安い方にしたが。

市内に行くために地下に潜り、地下鉄のチケットを買おうとして券売機の前で財布を開けたら、知らないおじさんが突然現れて財布に手を入れてきた。恐

するとコインを取り出し、なぜかチケットを買ってくれた。

手を入れてからの一部始終は一瞬も目を離さなかったのでスられはしなかった。

突然の出来事で驚いたし、スリか何かと思ったらなぜかチケットを買ってくれたので、何がしたかったのか、何のためにやったのかがわからなかった。せっかく細かいコインを処理しようと思っていたのに、5ユーロコインが使われてしまったのでありがた迷惑な行為ではある。

親切を装った迷惑犯なのかも知れない。

それか、とりあえず突っ込んで行けそうならスる、無理そうなら親切な(しかしありがた迷惑な)おじさんを演じるのかもしれない。多分これ。

僕の場合は一瞬も目を離さないようにしていたため大丈夫だったが、他の人がやられてる可能性はある。このときはコイン入れと紙幣を別々にしていてコイン入れだったから大金がなくスられずに済んだという可能性もある。気をつけよう。

有名なミラノ大聖堂のあるドゥオーモ駅で下車し、ミラノ大聖堂に登ってみた。

ミラノのシティビューを見渡せるおすすめスポット。

よくみると先端が若干ブルジュハリファみたいな建物がある。

上からの写真はあるのに正面から撮影しなかったのは謎。公式サイトから正面写真を持ってきた↓

https://www.introducingmilan.com/milan-cathedral

広場近くで繁盛している人気そうなアイス店を発見したのでとりあえず入ってアイスを買った。

テイストではなくフレーバーと言わないと通じなくて少し困った。

アクセントにクッキーが載っているのが決め手。バニラとストロベリー。

真夏の炎天下のミラノの暑さで、アイスは店を出るや否やすぐに溶け出し、濁流となって手にこぼれ落ち手がベタベタになってしまった。仕方なくお手拭きで拭いた。

他の人を見てみると、溶け落ちる前にアイス全体を舐め回して硬化させるという高度な技術を使う人がいた。

コーンに載せるのではなくカップに入れる方式も選択できたので、そちらにしておけばよかったと後悔した。笑

聖堂付近を歩いていると、パリのモンマルトンの丘のときと同じような黒人のミサンガ売りが待機しており、案の定絡まれた。

パリのときは5人くらいで固まってゆく手を塞いでいたが、今回は一人で、周りにも人がたくさんいたため大丈夫だろうと思い巻かせてみた。

最初タダと言っていた男性がミサンガを巻くと、どこからか別の男が現れて金を請求してきた。

彼はタダと言ってたけど。

あいつが言ったのは冗談だ。2ユーロ払え。

というやりとりがあった。納得できないので立ち去ったらしつこく追ってきて面倒だったが、最後は向こうが諦めた。昼間で人がたくさんいる中でも堂々と犯行に及ぶことが判明したので気をつけよう。

おそらくこれは2ユーロだから安いと思って財布を開けたら札を抜き取られるか、財布そのものを盗られるパターン。いくら安い金額を言われても財布は出さないようにしよう。もしお札入れと小銭入れを分けているなら、最悪小銭入れから数ユーロ取り出して適当にあしらうのも手だ。

こんなやりとりをしていたら、まさかの最初に買ったヴェネチア行きの鉄道に乗り遅れてしまった。笑

結局炎の矢、フレッチャロッサでヴェネチアに行くことになった。何のために節約したのかと思うと虚しくなった。しかも実際乗ってみたらいうほど早く無い。笑

ヴェネチア

夜の8時半になんとかヴェネチアに到着した。ヴェネチアの水の都感はかなり楽しみにしていたが、想像通りかそれ以上だった。

本当に海の上に島が浮かんでいる。

オランダのアムステルダムが北のヴェネチアと呼ばれて比較される事があるようだが、あちらは陸地に運河を張り巡らせたのに対しこちらは海に基礎を打ち込んでできたため根本が違う。

海の上に町があるという光景は今まで見たことなかったので本当に感動した。

しかし次に感じたことは…

臭い(笑)

そう、ヴェネチアは水が臭い。

島の作りからして生活排水が直接海に流されているのではないだろうか。しかも川と違って流れが一方向でないのでその汚い水が停滞し続けて悪臭の種になっているようだ。

緑のアドリア海からは想像もできない。ショックだった。

ただ遠目から見ると綺麗な緑色だが、確かに近くで見ると藻っぽさのある、いかにも臭ってきそうな緑色という感じがしたので納得。

匂いは宿泊した安いゲストハウスの部屋の中にまで漂ってきた。

いうほど激臭ではなく慣れるといえば慣れるが、やはり気になる臭さ。夏に行ったから熱気で臭さが強くなっていたというのもあるだろう。冬ならまだマシかも知れない。

この匂いを許容できるかどうかがヴェネチア滞在の評価の分かれ目になる。

臭さは置いといて、ヴェネチアは水上都市ゆえ交通機関が船に限られている。

ヴェネチア本島には鉄道や車で入れるのだが、乗り入れできる地区はごく一部だけ。

赤枠のあたりだけ

島内は歩行者天国状態で移動手段は水の上のみ、ヴァポレットという水上バスかゴンドラか渡し船だけ。

それ以外の一切の乗り物の姿を見かけることはない。バイク、自転車、そしてキックボードすら見なかった。

滞在中、一切の陸上の乗り物が姿を消した。こんな都市は世界でヴェネチアだけでは無いだろうか。

先ほどあげた水上バスのヴァポレットは唯一の公共交通機関。

ヴェネチア本島の逆S字の大運河「カナル・グランデ」(アリアナ・グランデじゃない)を中心に市内の移動に利用される。

ゴンドラは一回1万円くらいと高く、今ではほとんど観光客向けの運河クルーズしかやっていないので移動には使えない。

渡し船は短い距離の移動、運河や水路の対岸に行くのに使われる。気軽にゴンドラ気分を味わえるのでおすすめ。

移動手段は実質ヴァポレットか渡し船のどちらかを使う。

最もリーズナブルなヴァポレットは随分お世話になった。とりあえず乗り込んでおけばヴェネチアの運河巡りができて楽しい。水上とはいえど速度制限や一方通行の標識もしっかり整備されているのが新鮮だった。

ヴァポレットはゆったりした速さで写真を撮るに好都合。先頭に乗り込んでシャッターチャンスを狙ってみよう。ただ、慣れてくると遅いと感じ始め、歩いた方が早いんじゃ無いか、と思ったりする。

リアルト橋
サンタマリアデッラサルーテ聖堂

駅に着くとクルーが波止場にロープを巻きつける。抵抗が大きくなりやすい巻き方をするのでよく見てみると面白い。クルーの服装はネイビーのパンツに水色のポロシャツで統一されているらしかった。

水上での移動ばかりしていると船の揺れに慣れてしまうため、船を降りても地面が揺れているような錯覚を受ける。そのためヴァネチア本島が海に浮かぶ巨大な船のように感じた。

ヴェネチアでは近年、地球温暖化による海面水位の上昇の影響で冬になるとサン・マルコ広場やホテルなどが冠水して深刻な被害が出ている。

そのため地球温暖化を伝えるメッセージとして、現代アート作家のロレンゾ・クイン氏の作品が設置された。巨大な二本の手が今にも建物を海底に引きずり込もうとしているようだ。

実際には作品名は「Support」で、引きずり込むのではなく支えている。

これは人間の持つ破壊と創造を象徴したとのこと。地球温暖化を引き起こした原因は人類だが、自然のバランスを再び取り戻すことができるのもまた人類である、と訴えている。

シンプルながら迫力満点で、シンプルだからこそ伝えたいメッセージがストレートに伝わってくる。

この作品は2017年の期間限定だったようで、今は見ることができない。残念。

ヴァポレットには72時間乗り放題になるチケットを使った。

チケット売り場でローリングヴェニスカードというカードを見せると72時間券が安く購入できる。

https://www.veneziaunica.it/en/content/rolling-veniceから

まずこのカード自体の価格は6ユーロ。

実際どんなカードかというとプリントされたお粗末なA4の紙だった。

このカードを持っていると、30歳以下なら72時間乗り放題チケットを割引価格で購入できたる。他にもいくつかの店を割引価格で利用できるという特典のついたカード。

ヴァポレット72時間乗り放題券がもともと40ユーロのところ、22ユーロで購入できた。

ローリングヴェニスカードと合わせて28ユーロ。一回券は2.75ユーロほどかかるので72時間で10回以上乗るならお得だ。いちいち券を買う時間も省けて時間の節約もできる。

ただし1時間半以内なら乗り換え無料なので改めて考えるとこの券がお得かどうかは微妙。駅を降りるといらない券をくれ、という人がいたりするのはパリと同じ。

それにしても元の値段40ユーロとか高すぎる気がする。3日間で15回以上乗らないと元が取れない。1日5回以上乗るとして…いうほど高くは無いか。

ヴェネチアの中心はサンマルコ広場。常に大勢の人で賑わっている。

観光客がハトに餌をやることからハトの群が広場に居座り続けおり、餌をやると罰金が課せられる事態に発展した。

広場にあるサンマルコ寺院の鐘楼(しょうろう)に登った。上から見たヴェネチアは屋根が見事に赤レンガ一色だった。それに対比する形でアドリア海がエメラルドグリーンに輝いていた。

サン・ジョルジョ・マッジョーレ聖堂にも鐘楼があるので登ればよかった。
外からヴェネチア本当を一望できそう。

ヴェネチア全体を一望できるお勧めスポット。周りがアドリア海に囲まれていることがわかる。イタリア本土とヴェネチア本島を繋ぐ連絡橋も見える。

画像を見て貰えばわかると思うが、限られた面積に通りがどこにあるのか全くわからないほどオレンジの屋根の建物が所狭しと並んでいることがわかる。

居住地やホテルが限られているため、宿泊費や家賃が高い。特に夏のバカンスや2月中旬の仮面カーニバルなどのオンシーズンは宿泊費が跳ね上がる。

これ以上人口が増えるにしてもニューヨークみたいに高層ビルを建てるしか無いが、そうすると多分沈む。新たに埋立地で土地を増やして、その上で高層ビルを建ててニューヴェニスとかいう地区を作るのはアリといえばアリかな。

とにかく、限られた土地に建物を建ててほとんどの通りが薄暗い路地裏のようになっている。

このせいで、到着初日の夜に外出して宿に帰れなくなるというハプニングが発生していた。

ヴェネチア到着した夜、ヴァポレットに乗ってカナル・グランデを移動し、宿に着いたのが夜10時くらい。

荷物を下ろして一息ついた後、夕飯も兼ねて夜のヴェネチアの写真を撮りに繰り出したが、これが思わぬ事態を招くことになった。

ヴァポレットに乗り込み、無謀にもサン・マルコ広場へ行ったみた。広場にはレストランがいくつかあり、広場ではジャズの演奏グループが3組出て演奏していた。

レストランには入らず近くのピザ屋でピザをテイクアウェイ(ヨーロッパではテイクアウトでなくこちらを使う)し、ジャズの演奏を聴きながら夕飯を食べた。

広場には光るおもちゃを売っている商人、おそらくヴェニスの商人(笑)がいた。見た目はだいたいインド系。ゴムを使って上空に飛ばすものや地面に模様を映し出すものなど様々。ヨーロッパでもアメリカでも東南アジアでも、人が集まる広場っぽいところにはどこにでも出没し、あわよくば一稼ぎしようと企んでいる。人の注意は引くものの全く売れていない

食事の後再びヴァポレットに乗り適当に散策した。

夜の12時ごろ、夜景を撮り終えて帰ろうと思ったがここで問題が発生。

宿に帰れない。

どの道を通ればいいのか分からなくなってしまった。地図上では十分に徒歩圏内なのに、何度も同じような場所に出たりして迷宮入りした。

先ほど書いたように、ヴェネチアは建物が所狭しと並んでいてほとんどの通りが路地裏と化している。路地裏があって進んでいくと広場が出てきて、また路地裏、という風で、広場と広場を路地裏が結んでいるような街並みをしている。

そのため建物に阻まれて見通しがきかずしばしば方向感覚をなくしやすい。

夜になると太陽の日を目印にすることもできないため、方向間隔が完全になくなってしまった。来てまだ数時間で何もわからない状態だから当たり前なのだが。笑

グーグルマップ を使えばよくね、と思うかもしれない。

しかし当時、現地でSIMカードを買っていなかったので使えなかったしそもそもsimカードのことをよくわかっていなかった。そのため旅行期間中全てオフラインか、予約などは宿のWi-Fiで済ませていたという事情がある。

もっとも当時使っていたauのiPhone6はSIMロック解除ができなかったらしい。

水の都だけあって大運河カナル・グランデだけでなく小さな水路や運河も島全体に張り巡らされているので、直進していけると思ったら運河で行き止まりで、向こう側に行くには大きく迂回する必要があるなどの制約が出てくる。

迂回するために元来た道を戻ってうろうろしているとまた方向感覚が狂う、という悪循環だった。

宿泊したゲストハウスも安い代わりに立地が悪く、見つけづらいというのもこの迷宮入りに一役買った。

初めて訪れた路地裏だらけのヴェネチアを夜に散策、安宿ゆえのわかりづらい立地、という要素が加われば宿にたどり着くのは困難になる。

幸いヴェネチアは割と治安がいいらしく、歩いていて危険な感じの場所はなかった。深夜でも人がちらほらいたのも心強かった。

しかし全く人気のない路地裏を歩くときは、その年季の入った建物の雰囲気とショーウィンドウのマネキンが合わさって気味が悪かった。お化け屋敷とか苦手なのでこういうシチューションも苦手。笑

2時間以上も散々歩き回って、文字通り足が棒になるまで歩いて、ようやく宿に着いた時は奇跡だと思った。

しかし今度は宿の建物の鍵が開かないトラブルに見舞われた。

泊まった宿は古い建物の2階部分を宿として経営している。なのでまず建物そのものに入るための門を開く第一の鍵が必要。次に2階へ上がり宿に入る第二の鍵を使う。

だからチェックインしたときに鍵を2本もらったのだが、その第一の鍵が発動しない。

暑くて汗まみれで、歩き回って疲労困憊だったので今すぐシャワーを浴びて眠りにつきたかったのだが、何度やっても扉が開かず途方に暮れていた。

目の前にあるその門が50メートルかそれ以上に大きく感じた。

こうなったらサンタルチア駅近くにあったバーガーキングにでも行って一晩過ごそうかと考えていた矢先、同じ宿に宿泊していた人がちょうど帰ってきて鍵を開けてくれた。門が古いため鍵がうまく噛み合わず、かなり力を入れて押しながら回さないと開かないとのことだった。

彼にお礼を言いシャワーを浴びて爆睡した。

こんなことになるとは想像もしていなかったが、無事に帰れてほっとした。

滞在中は他に、ヴァポレットにのっている途中に突然海が荒れるというハプニングもあった。

天気が悪いなぁと思っていたら、突然風が強くなり雨が降ってきた。

波が大きくなりヴァポレットがすごく揺れたので転覆まで覚悟したくらいだ。幸い荒れ模様はすぐに収まりことなきを得た。

最終日の朝は、フィレンツェ行きの鉄道に乗る前に、ローリングヴェニスカードで5%オフになるカフェでクロワッサンを食べた。美味しかった。

フィレンツェ

ヴェネチアから鉄道で2時間くらいでフィレンツェに到着。

古代ローマ時代に花の女神フローラの街フロレンティア(Florentia)と名づけられたのが名前の由来らしい。英語ではフローレンス(Florence)。イタリア・ルネサンスが花開いた場所として有名。そういった経緯からしばしばパリ同様花の都とも言われる。

こちらはパリと同じように、スタンダール・シンドロームという症候群が発症することがあるらしい。

スタンダール・シンドローム: The Stendhal Syndrome)は、フランスの作家スタンダールが、1817年に初めてイタリアへ旅行した時にフィレンツェサンタ・クローチェ聖堂の内部のジオット等のフレスコ画を見上げていた時に、突然眩暈と動揺に襲われしばらく呆然としてしまったということから、1989年、イタリアの心理学者グラツィエラ・マゲリーニが同様の症状を呈した外国人観光客の例を数多く挙げてこのように命名したもの。彼女によると、崇高な充実感と同時に強い圧迫感が見られたという。

原因は解明されていない。憧れのイタリア美術の精髄を目の当たりにして、その作品の中に吸い込まれるような経験をするのだという説もあるが、イタリアのローマやフィレンツェ、ミラノのような都市は見上げるような人を圧倒する美術作品、建築が多く、長く上を見上げて眺め続ける姿勢により、眩暈や吐き気失神が引き起こされるという説もある。

このような症状が起きるのは、殆どが西ヨーロッパの国々からの観光客で、イタリア人にはほとんどない。またアメリカ、日本からの観光客にもこのような症状が出ることはほとんどない。

ウィキペディアより

マイナスイメージなパリ症候群とは異なり、プラスのイメージ。

書いてある通り、日本人のためこのような症状は起こらなかった。

有名なフィレンツェのドゥオーモ、サンタマリアデルフィオーリ大聖堂(もっこりしたドーム、フィレンツェドーム)と、それに隣接したジョットの鐘楼へ行ってみた。クーポラ(屋上)は上がらなかった。

フィレンツェの観光の中心地シニョーリナ広場では、メデューサを討伐したペルセウスの像がある。また、ヴェッキオ宮殿の前にはミケランジェロ作のダビデ像のレプリカもある。

これはイスラエルの二代目の王ダビデが、ペリシテ人の巨人ゴリアテ(またはゴリアト)を倒す瞬間を表現している。ダビデはゴリアテを石紐と数個の石で倒したのだが、石を投げる瞬間の力を込めている場面をコントラポスト(片足重心)で表している。

オリジナルは現在アカデミア美術館に展示してある。もともとはオリジナルがシニョーリナ広場に設置してあったが、風化から守るためアカデミア美術館に移され、その際に元の場所にレプリカが置かれた。

設置された当初石を投げつけられたり、1527年には暴動に巻き込まれて左腕が破壊されたりした。

美術館内にあれば安全かと思ったら、1991年に半狂乱のイタリア人芸術家にハンマーで襲撃されて足の指が欠けるという事件が起きるなど色々あったらしい。

フィレンツェ滞在当時はこのような知識はなく、ただなんとなく眺めて「すげー(棒)」とか思っていただけだ。作品の凄さとか背景を知らない、美術館あるある。

じゃあ知識ないのに何で自発的に美術館に行ったの?と言われたら返す言葉がない。泣

もう一つ、青銅のレプリカがアノル川を渡った先の丘の上のミケランジェロ広場にある。

左手に鳥が止まってる笑

ヴェッキオ宮殿の一階広間にはヴェロッキオ作のイルカを抱くキューピットのレプリカがあり、本館内には本物が展示されている。

500人広間には壁一杯に壁画が描かれていて圧巻

13世紀のイタリアの詩人、政治のダンテ・アリギエーリのデスマスクがある。

ダンテは有名な三部作「喜劇(コメディア)」で知られる。日本語訳ではもっぱら森鴎外によって付けられたの「神曲」の方が有名。

地獄篇(インフェルノ)、煉獄篇(プルガトリオ)、天国篇(パラディーゾ)の3部からなり、最後は円満に終わるので喜劇と題した。読んだことはない。

映画インフェルノの題名は、この内の地獄篇に因んでいることに由来する。

ヴェッキオ宮の近くにあるのが有名なウッフィツィ美術館。

読みづらい。

この建物はかつてフィレンツェの行政機関の事務所が入っていた。イタリア語のUfficioは英語でいうオフィスの意味で、それがこの美術館の名前の由来になったそうだ。

混雑を回避するために朝イチで美術館へ出かけたら、途中の道に見事なまでにペシャンコに潰された鳩の死骸を目撃し、朝イチから気分が悪くなった。

ボッティッチェリのヴィーナスの誕生が有名。

ギリシャ神話によると、ヴィーナスは巨人族のクロノスが父ウラノスの男性器を切断して海に投げ捨てたときに海面に生じた泡から生まれたそうだ。

泡から生まれた泡太郎的な衝撃の出自。そもそもの経緯も雑。全然ありがたく無い。笑

ウッフィツィ美術館からヴェッキオ橋へ伸びているのはヴァザーリの回廊。

ヴェッキオ宮殿からウッフィツィ美術館に合流し、さらにヴェッキオ橋からピッティ宮へ続く。

当時フィレンツェ共和国を支配していたメディチ家のコジモ一世が、自身の住まいと職場を不自由なく行き来できるようにするために作られたそうだ。

現在でも期間限定でツアーが開催されており、予約すれば入ることができる。

ヴェッキオ橋はイギリスのバースにあるパルトニーブリッジと同じような趣向で、橋が建物と一体化している。

パルトニーブリッジ

アノル川を渡って少し行くとヴァザーリの回廊の端、ピッティ宮がある。

内部の豪華な装飾品の数々はロンドンのバッキンガム宮殿を彷彿させる。

アノル川を渡った対岸を少し歩くき、丘をあがるとミケランジェロ広場。

フィレンツェドームや市内を一望できる展望スポットなのでおすすめ。先ほどの青銅ダヴィデがいるのがここ。

聖堂のダビデがフィレンツを見守っている。

フィレンツェ滞在中は市内交通機関をただの一度も使わなかった。それだけ中心部に見所がコンパクトにまとまっていて観光しやすい街ということだ。

日本においてはフィレンツェというとローマやヴェネチア、ミラノに比べてややマイナーかも知れないが、コンパクトな街の中に一見の価値がある作品が多数保存されているので是非とも訪れたい観光地だ。

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