【ロンドン】チューブを乗りこなそう〜オイスターカードの使い方【Underground】
ロンドンの地下には地下鉄チューブ(Tube)が張り巡らされている。
思うに、ロンドンはおそらく世界で最も地下鉄が充実している都市なのではないだろうか。それもそのはず、ロンドンは世界に先駆けて地下鉄網を整備した都市だ。チューブがあるから地上はスッキリし、ロンドンの街並みを景観を損なわずにいられる。
これからロンドンを支えるチューブを乗りこなしてみよう。
オイスターカード
パスモやスイカのようなタッチ式のプリペイドカード。
地下鉄や電車の駅構内で購入可能。デポジットとして5ポンドかかる。あらかじめ金額をチャージして使う。日本同様、オイスターカードを使う方が紙の切符より安くなる傾向があるので積極的に利用しよう。
いちいち切符を購入する手間も省けるので時間の節約にもなる。
乗り方
Undergroundのマークが目印。地下に潜る合図。
改札の黄色にオイスターカードをタッチするだけ。出るときもタッチ。
マップ
https://tfl.gov.uk/maps/track/tube
チューブ公式サイトから。マップはいくつか種類があるので好きなのをダウンロードしてみよう。一番上がオーソドックスなマップ。
運賃
運賃体制がやや複雑なのでここでしっかり確認しておこう。ピークとオフピーク、ゾーン制、キャップ制など知るべきことはたくさんある。
ピークとオフピーク
ピークとは通勤・帰宅ラッシュのことだ。ロンドンではラッシュの有無で運賃が異なる。
平日の月曜から金曜(祝日は除く)の6:30〜9:30、16:00〜19:00がピーク
上記以外の時間帯か、16:00〜19:00でもゾーン1の外(例えばゾーン2やゾーン3)からゾーン1への乗車はオフピーク扱い。
ゾーン制
ルートマップを見ればわかるが、中心から外側に向けて番号が増えていくのがわかる。この番号がゾーン。
ゾーン1⇆ゾーン1の移動、ゾーン1⇆ゾーン2の移動、ゾーン1⇆ゾーン3の移動、ゾーン2⇆ゾーン3の移動…は運賃が異なる。
ただし観光名所はゾーン1内に集中しているので短期間の旅行ならそこまで気にする必要はない。
片道運賃
以上を踏まえた運賃を示す。先ほども述べたように観光名所はゾーン1内に集中しているので,短期の滞在なら他はほとんど気にしなくていいだろう。
ここでは少し足を伸ばしてゾーン1からゾーン3、およびヒースロー空港(ゾーン6)の運賃を扱う。
ピーク | オフピーク | 切符 | |
ゾーン1⇆ゾーン1 | 2.40 | 2.40 | 4.90 |
ゾーン1⇆ゾーン2 | 2.90 | 2.40 | 4.90 |
ゾーン1⇆ゾーン3 | 3.30 | 2.80 | 4.90 |
ゾーン1⇆ヒースロー空港 | 5.10 | 3.10 | 6.00 |
ゾーン2⇆ゾーン2 | 1.70 | 1.50 | 4.90 |
ゾーン2⇆ゾーン3 | 1.70 | 1.50 | 4.90 |
ゾーン2⇆ヒースロー空港 | 2.80 | 1.50 | 5.90 |
ゾーン3⇆ゾーン3 | 1.70 | 1.50 | 4.90 |
ゾーン3⇆ヒースロー空港 | 2.80 | 1.50 | 5.90 |
だいたいこのような運賃体制だが、ルートによって運賃が多少変わってくる。例えばゾーン1⇆ゾーン2の移動でゾーン3を経由する場合、上記の運賃とは異なることがある。
詳しくは以下のロンドン交通公式サイトで調べることができるので、念の為自分の行きたい場所を入力して調べてみよう。
https://tfl.gov.uk/fares/find-fares/tube-and-rail-fares/single-fare-finder?intcmp=54716
例えば、ゾーン1⇆ゾーン1の移動
ピークとオフピークで差は無い
ゾーン1⇆ゾーン2
オイスターカード使用時、ピークとオフピークで運賃に違いが出る
ゾーン1⇆ゾーン3
こちらも運賃に違いが出る
ゾーン1⇆ゾーン6
オイスターカードでのオフピークが圧倒的に安い。
以上から、だいたいこんな料金体制だと思えばいいだろう。切符よりオイスターカードを使う方がお得だと分かったと思う。
実際に自分の行きたい場所は必要に応じて公式サイトで調べてみよう。
キャップ制 Caps
capというと帽子という意味が真っ先に思いつくと思う。帽子をひっくり返して何かものを入れていくと、そのうち溢れてくるだろう。帽子の容積以上は物は入らないからだ。
これと同じように、運賃が1日の上限以上は加算されないシステムがある。これがキャップ制だ。
以下が各ゾーン間の運賃の上限表だ。59通りある。
これだけではわからないのでいくつか例を出そう。全てオフピークだと仮定する。
ゾーン1⇆ゾーン1の場合
ロンドン市内観光にゾーン1内でチューブを5回利用したとする。1回の運賃は2.40ポンドなので2.40×5=12.00ポンド。
ゾーン1⇆ゾーン1の移動の上限は1日7.00ポンドなので(上の「Zone 1 Only」参照)、3回目、つまり2.40×3=7.20ポンドの時点で7ポンドに達するのでそれ以上は課金されない。かかった運賃の合計は7.00ポンドということになる。
ゾーン1⇆ゾーン6 その1
例えば、ロンドン到着初日にヒースロー空港(ゾーン6)からホテルのあるゾーン1までの移動に片道3.10ポンド。
ホテルで一息ついたあと、同じようにロンドン市内観光にくりだし、ゾーン1内でチューブを5回利用したとする。2.40×5=12.00ポンド。
先ほどと異なり、ゾーン6とゾーン1を通っているので全体としてゾーン1⇆ゾーン6の移動と判定される。
3.10ポンド+12.00ポンド=15.10ポンド。
ゾーン1⇆ゾーン6は12.80ポンドが上限なので(「Zone 1-6」参照)、運賃の合計は12.80ポンド。
ゾーン1⇆ゾーン6 その2
そしてややこしいのがさっきの逆。つまり、ロンドン市内を観光してから空港へ帰路につく場合が想定される。
全く同じ状況だとして、はじめにゾーン1内で観光。12.00ポンドかかるが、その時点ではゾーン1⇆ゾーン1での移動と判定されるため、かかった運賃は7.00ポンド。その後空港へ行き片道3.10ポンドかかる。
7.00+3.10=10.10ポンド
と思っていたのか?
実は、先ほどと同じで12.80ポンドになってしまう。
公式サイトによると、
選択したゾーン間の外に出ると、追加で運賃がかかる場合があるから、全ての旅程を考慮して十分な金額を確保しておきなさい。
みたいなことが書かれている。
この場合、あらかじめゾーン6への移動も考慮したプランを考えなければならないということらしい。
したがって、ゾーン1⇆ゾーン1だと判定されていたのが、空港を利用したためにゾーン1⇆ゾーン6に変更される。
7.00ポンドだと判定されていたのが突然12.00ポンドに変わってしまう。
それに空港までの片道3.10ポンドが加算される。そしてゾーン1⇆ゾーン6は12.80ポンドが上限なので(「Zone 1-6」参照)、運賃の合計は12.80ポンドというわけだ。
わかりにくい。
払い戻し
イギリスから出国してオイスターカードが不要だと思ったら払い戻しをすることができる。
以下のビジターセンターで払い戻しが可能。または、残高が10ポンド以下なら駅の券売機でも払い戻し可能。
空港でも払い戻しができるのはありがたい。オイスターカードは返却することになるので、思い出にとっておきたい場合は残高と相談しよう。
罰金
ロンドンには乗り越し精算がない。
運賃が足りないのに乗車し、改札から出られないと罰金40ポンド(約5200円)が課せられてしまう。料金体制がわかりにくいので知らず知らずのうちに運賃が足らなくなることがあるかもしれない。
払い戻しができることを考えると、多めにチャージした方がこういったトラブルにならずに安心。
狭い車内
ロンドンのチューブは車内が狭いことをあらかじめお伝えしておこう。
東京、バンコク、ニューヨーク、このあたりの都市の地下鉄・電車の車内に比べて断面の縦と横の長さがかなり短い。
通路は人が一人通れるくらいの幅しかないため、事実上一方通行状態。天井も低く、ジャンプしたら頭をぶつけそうなくらい。また、車体の上半分のエッジが丸まっているため、扉の付近に立つと身長175cmでも頭が接触する。
大抵の都市の車体は縦3m、横3mくらいなのに対し、ロンドンのチューブは2mずつくらいしかないと思う(実際はもう少し大きいと思うが)。
車内の真ん中らへんに入り込むと、場合によってはほとんど身動きが取れなくなるので閉所恐怖症でなくても恐怖を感じる。ロンドンを訪れる際は心の準備をしておこう。
まとめ
以上、チューブについてまとめてみた。
ゾーン制やキャップ制という料金体制が複雑でわかりにくいかもしれない。ニューヨークやロサンゼルスの一律料金制と、日本やバンコクの距離ごとの料金制がミックスしたような感じだ。
運賃体制は複雑だが、短期間の滞在ならほとんどソーン1内で完結するし、チャージ金額に不安があっても払い戻し制度があるので多めにチャージしておけば特に問題なく乗り切れるだろう。ただし、その場合は払い戻し可能時間に注意。
キャップ制をうまく活用しながらチューブを乗りこなそう。
参考にしたサイト
チューブでのロンドン観光はこちら