チェンマイで99バーツの鍋 食べてみた
タイのチェンマイは東南アジアだ。
東南アジア=暑い
と言う式が大抵の場合は思いつくと思う。暑い国でまさか鍋なんて食べないと思っている人も多いだろう。自分もその1人だった。しかし町歩きすると分かるがチェンマイには鍋料理屋が点在している。値段はだいたい99〜299バーツが相場だと思う。並んである食材を自分で取ってきて鍋に放り込んで食べる食べ放題形式で、値段が高い方が具材の種類やクオリティが高い。数人で鍋を囲んで話をしながら食べるもよし、1人で大食いチャレンジするのもよし。今回紹介するのは、数ある鍋料理店の中でお気に入りの99バーツの鍋料理屋だ。(99バーツ=約350円、2019年3月)
所場
ニマンヘミン通りと旧市街の堀の中間あたりに位置する大通りに面した店だ。
夕方5時ごろのオープン。
外装
99バーツと書いてある
内装
中は広いが、夜8時頃には席がほとんど埋まるほどの盛況ぶり
通りを挟んだ反対側のスーパーが目印
食材
野菜から肉料理まで。安いので種類自体は多くはない。
緑野菜は白菜の他に、名前がわからない野菜が3種類ある。根菜は人参と大根とトウモロコシ。キノコ類は白キクラゲとエリンギ。肉は鶏肉のみで部位や味付けが違うものが8種類くらいある。炭水化物は味のない緑色と黄色の麺と日本のチキンラーメンのような味のインスタント麺。
他にもソーセージやカニカマや豆腐、春雨などがある。卵もあるが、数が少ないので食べたい場合は早めに確保しないと無くなってしまう。デザートは2種類、アイスとゼリー。どちらも味は微妙。鍋自体はそのままだと味がないので味付きのスパイスが3種類ある。赤が辛く、赤黒いのが甘辛、緑が一番辛い。
飲み物は必ず頼まないといけないらしく、何も頼まないと勝手に水(15バーツ)がつく。ビールは1本80バーツくらい取られる。99バーツの鍋に対しての80バーツ。相対的にやけに高く感じざるを得ない。これだけでも鍋がいかに安いかがわかるだろう。
作り方
席に着くと鍋のセットは店員がしてくれる。土鍋を使った本格的な鍋だ。ツマミで火力の調節もできる。普通のおたまと穴の空いたおたま、人数分の取り皿が支給される。
食材を一通り並べるとこのようなかたちになる。緑野菜は半透明の縦長の網の容器、そのほかの具材はお皿に入れて持ってくる。鍋の手前に3つ並んでいるのが味付きスパイス。テーブルが小さいので欲張って食材をとすぎるとスペースがなくなってしまうので注意。
食材を入れて火が通るまで待つ。火を通すのでお腹を壊す心配は普通の屋台よりは低いと言える。肉は入れすぎると吹きこぼれて悲惨なことになるので量を調節しながら入れる。(経験者は語る)
野菜から食べたほうがいいという情報をしばしばネットで見たことがある。野菜の後に炭水化物を食べた方が血糖値の急激な上昇を抑えられるので体にいいらしい。なので最初に白菜など緑野菜を入れる。
緑野菜はそのままだと大きくて鍋に入らないので手でちぎって入れる。火を通すのでよっぽど手が汚いという場合、例えばトイレに行って手を洗わなかった、を除いて気にしすぎる必要はない。汁の量が少なくなったら食材コーナーにあるポットで継ぎ足す。
99バーツでおなかいっぱい食べられて長く居座れるのはかなりお得だと思う。チェンマイでは屋台やフードコートなどで食べた場合1品40〜80バーツ、ちょっとオシャレなレストランやちゃんとしたレストランだと1品80〜120バーツ程かかる。1品では物足りなくて2品注文すると結構簡単に100バーツを超えてしまうのだ。
また、具材を入れて火を通す、食べる、また具材を入れる、というループなので食材に火が通るまでのロスタイムを考慮すると長居しても不自然な感じはしない。2人で3時間以上居座り続けたこともある。午後5時過ぎに開店直後に入店、夜8時半までいた。後から来た客の方が先に帰った。普通の店だとこんなに長くは入れないと思うのでゆっくり食べながら話したいときはちょうどいい。
気になる点
まずはトイレ。ローカルの店なのでトイレは不潔になりがち。個人的には我慢できるレベルだが、できれば使いたくはないというのが本音だ。なるべくトイレは済ませてから行くようにしたい。
店は画像からわかる通り一応は屋内だが窓や壁がない。なので基本的にハエや蚊の襲撃に遭う。場合によっては羽アリの群れが飛んでくることもあるようだ。安いので店の造りがこのようになってしまうのは仕方がない。なので虫除けスプレーを持参するなどの対策をしよう。食材に虫がついた場合は火を通すので問題ないと割り切るしかない。慣れれば気にならなくなる。
まとめ
チェンマイは北のほうにあるのでバンコクより暑さ控えめで、日が落ちると案外涼しくなるので鍋に適していると言える。99バーツという破格の安さでおなかいっぱい食べられるのは普通じゃ考えられないことだし、火を通すのでむしろ普通の屋台で食べるより安心だったりする。また、鍋を作って食べることがある意味では自炊の延長上のようなものがあり、それ自体が楽しいものだ。おなかにも財布にも優しく楽しい鍋、興味があればぜひチャレンジしてみよう。