TOEIC

TOEICスコアが上がるまで勉強を続けるべき理由と勉強法

TOEICを勉強する上での困りごとの一つに、勉強している割にはスコアが伸びないというものがある。

最初はスコアアップを目指そうと意気込んできた人が、いつの間にかTOEICの勉強をやめてしまうというのはよくあることだ。

勉強しているのにスコアが上がらなければやる気が落ちるのは当たり前。

僕も学生時代は同じ状況だった。

やる気満々で参考書や問題集を買って勉強を始めるも、スコアが上がらずに挫折。あるときやる気が湧いてきて勉強を再開するのだが、またしてもスコアが振るわずに挫折。

勉強をする→やる気がなくなって勉強しなくなる→勉強する→やる気がなくなる→…というループにハマっており、点数も300〜500点台をうろうろしていた。

大学4年生の最後に受けたTOEICスコアは500点ジャスト…

しかしこんな悲惨な僕でも、1年間対策することでTOEICスコアを500→745に上げることができた。

スコアを上げるために必要なのは根気よく勉強を続けること、そして正しい勉強を続けることだと思う。

僕の体験談から、勉強時間とスコアの関係について考察し、勉強の仕方についても伝えていこうと思う。

勉強時間、知識量、スコアの関係

勉強時間とスコアは比例しない

勉強時間と知識量は(ある程度は)比例するが、勉強時間とスコアは比例しない。

知識量は、例えば1時間で10ページ勉強したら、10時間で100ページ分の知識がたまる。

一方でスコアの場合、1時間で1点、10時間で10点上がると言うことはない。

ちょっと勉強した程度ではスコアに反映されず、満遍なくレベルアップして初めてスコアが上がるようになる。

それはTOEICのスコアを上げるには基礎知識、実践力、問題への戦略などの要素が必要だからで、それらの知識が組み合わさったときにスコアが大きく上昇する。

そのため勉強量とスコアは比例しない。

勉強時間と知識量が比例の1次関数で表せるなら、勉強時間とスコアは指数関数のような関係にあると言っていいと思う。

スコアが上がりにくい理由

TOEICスコアが上がらないのは幅広い知識と問題処理能力を必要とするからだ。

TOEICは様々なシチュエーションの会話や幅広いトピックから問題を出題し、単語や文法、イディオムの知識、読解力やリスニング力をまんべんなく測定する。

ちょっと山を張って勉強した程度では全く反映されないと言っていいだろう。

文法の基礎が理解できても、単語の意味がわからなければ文を読む事はできないし、文法や単語の知識はあっても英文に触れる機会が少ないと文脈やトピックによっては意味が取れないこともある。

加えて、時間内に問題を解く処理能力や、解くべき問題と捨てる問題を見極める能力も間接的に測定している。

TOEICの問題の多さとそれに伴うスピード感、問題形式に慣れていなければ実力を発揮できずに終わるだろう。

英語の総合力に加えて問題処理能力も問われるためスコアが思うように上がらないのも無理はない。逆に、総合力と問題処理能力が組み合わさったタイミングで大きくスコアが向上する。

スコアのカーブが来るまで勉強を続ける

誤解しないで欲しいのが、スコアに反映されなくても知識は積み重なっているという点だ。

もう一度時間とスコアのグラフを見てみよう。

横軸の半分を過ぎてもスコアはほとんど上がらない。しかしその後、カーブを描いて急激にスコアが上がる時が来る。

このカーブが英語の総合力と問題処理能力が組み合わさった瞬間だ。

実力が上がっていると感じなくても勉強して得た知識は少しづつ確実に定着しており、それがあるタイミングでうまく噛み合っていきなりスコアが上がる。そんなイメージだ。

だからスコアが思うように上がらないからといって途中で勉強を放棄してはいけない。

スコアが上がらずに悩んでいる人は、この上昇点に到達する前に勉強をやめてしまうからだと思う。

勉強をやめてしまえばせっかく学んだ知識が徐々に低下していく。完全に0にはならないものの、継続して勉強するより効率が悪い。

1日8時間勉強して短期決戦する場合も、1日1時間で長期で勉強する場合も、スコアが上がるまでは挫折せず勉強し続けるべきだ。

勉強の仕方

挫折しないで勉強するために必要なことを紹介する

インプットとアウトプットのバランス

スコアを上げるには基礎を身につけることが大前提で、初めのうちはインプット重視の勉強が必要になる。

ただ、インプットが必要といっても、インプットしかやらないとそのうち飽きてくるし、頭でっかちになるばかりでTOEIC試験そのものに対応できない。

知識はそれ自体を覚えただけでは不十分で、問題演習を通して実際の使われ方がイメージできて始めて本物の知識になる。

とはいえ、基礎が固まっていない状態で公式問題集を解くのは負担が大きすぎる。その時点でTOEICの勉強に嫌気がさして挫折するだろう。

ふつうの問題集でもまだ負担が大きい。

基礎固めの段階での最適な勉強は、インプットしつつ、こまめに軽めにアウトプットすることだ。

その後は問題演習の段階に入る。問題集を使ってアウトプットしながら知識の定着度合いを測りながら応用力を磨き、抜けているところは参考書に戻って再インプットする。

最後に実践演習をして初めてスコアに反映されるようになる。

模試形式の問題集を使って実践演習を行い、インプットした知識やアウトプットしたことを総動員して応用力にさらに磨きをかける。

この流れで進めていけば、挫折せず、確実に実力をつけられると思う。

基礎固め、問題演習、実践演習

先ほどの指数関数のカーブに基礎固め、問題演習、実践演習を当てはめると以下のような並びになる。

基礎固めの段階ではスコアは上がらない。問題演習だけでもまだ足りない。実践演習まで含めて初めてあのカーブに到達できる。

いうまでもなく、基礎がない状態では実践演習などできるはずがないし、基礎が固まっても問題演習が不十分なら実践演習を十分活かす事はできない。

そのため基礎固め→問題演習→実践演習と学習を進めていくことが大切だ。

基礎固めはインプット重視でアウトプットは軽く

基礎固めの段階ではインプット→軽くアウトプットの順で進める。

基礎固めの段階では参考書を使ってインプットしつつ、参考書付属の練習問題などでこまめにアウトプットしていく。

練習問題なら問題の難易度も問題数も軽量なので負担が軽く挫折しにくい。間違ってもすぐに前のページで見直せるので知識の確認にちょうどいい。

600点未満の人は中学校レベルの参考書から復習するのがいいと思う。進め方はシンプルにインプット→練習問題→章末問題と進めていけばいい。

知識が十分に定着していない、章末問題が難しいと感じたら、章末問題は飛ばして取りあえず参考書を一通りやり終えて、2周目で章末問題を解くというのもアリだ。

基礎が固まっていない段階では、アウトプットはしても無理のない範囲で行うことが挫折せずに勉強を続けるコツ。

問題演習でアウトプットしながら再度インプット

ここではアウトプット→インプットの順で進める。

問題演習がメインのように感じるかもしれないが、この時点ではまだインプット作業は終わっていない。

問題を解いて解説を読んで、それでもわからないところがあれば参考書に戻って抜け・漏れのある知識を再度インプットする。

また、例えば関係詞が苦手なら参考書に戻って関係詞の範囲だけまとめて復習というように進める。

このように、

  • 問題集を解いて回答・解説の確認
  • →解説を読んでも理解できなかった箇所を参考書に戻って確認
  • →苦手な分野は参考書でまとめて復習

というステップで進めていく。

問題演習を通してインプット不足のところを見つけていくようなイメージだ。

TOEICの攻略本で戦略を立てる

TOEICは限られた時間内でどれだけ正解数を増やせるかがカギになる。

そのため、できるものとできないものを分別できる能力も問われてくる。

また、各パートごとの時間の目安、リスニングの際に聞くべきポイント、リーディングを解くときの文章や問題の読み方、順番などのテクニックを駆使することで実力を出し切ることができる。

リーディングで最後の10〜20問くらいが全て塗り絵になってしまったのはほとんどの人が経験しているのでは無いだろうか。

これは、各パートごとの1問あたりのペース配分や難問に時間をかけすぎてしまうことが原因だ。

本来の実力なら解けた問題が、難問に時間をかけすぎたせいで時間切れになってしまってはもったいない。解けない問題は思い切って捨ててしまう方がいい。

リーディングの例で言うと、impyやNOT問題のように、全文を読まないといけない問題が難問に当たる。

時間をかけるべきでない問題はTOEICの戦略本、攻略本に書かれているのでそれを勉強しておくことも必要だ。

実践演習でアウトプットとインプット

実践演習ではアウトプットを重視する。

ある程度の問題演習や攻略法を習得したら、あるいは試験の数週間前になったら、模試形式の問題で実践演習を行う。

身につけたことが実際に使えるかどうかの確認に加え、TOEICの雰囲気や問題を解くスピード感になれるために絶対必要だ。

問題を解いて、解いた後にもう一度時間無制限で解いてみる。解けるところまで解いたら答え合わせをして解説を読んで理解する。

時間を測って解くことで、時間内になんとか知識を引き出そうと努力する。その結果、今まで勉強して蓄えてきた知識が実践で使える本物の知識になっていく。僕は知識の引き出しに潤滑剤をさして知識を取り出しやすくするようなイメージを持っている。

一方、時間無制限で解くこでは今まで勉強した知識を思い出し、それらを統合しながら問題を解こうとする。引き出しの中の知識を再確認、整理するイメージだ。

引き出しをスムーズに開閉できるようにし、中の知識も整理する。これほど最高のアウトプットはない。

実践演習を通して、それまで蓄積してきた単語や文法などの知識、読解力やリスニング力などの実践力、TOEICの戦略がうまくリンクするようになり、その結果、先ほど見せた指数関数のような突然のスコアアップが可能になる。

1回だけでは各分野のつながりは不十分なので、試験前に少なくとも2回はこなす必要があるだろう。

インプットではわからない単語の意味、意味の取れなかった文章、聞き取れなかった音などを確認して何度も音読したり復習する。問題演習の上位互換のような作業を通してより一層の知識の定着を目指す。

実践演習を最大限に活用するにはそれまでの基礎固めや問題演習をどれだけこなしたか、どれだけ知識のインプットとアウトプットをしてきたかによる。闇雲に実践演習する前にまずは冷静に基礎に取り掛かろう。

勉強時間

僕はスコアを500→745に上げるまで、1年間で合計400時間以上の勉強した。

500→745を達成したのは2020年12月のことで、教材を使って本格的に勉強したのが4月中旬から。

4〜11月中旬までは平日に1〜1.5時間くらい、休日に2〜4時間くらい勉強していた。11月からテスト前日までは平日2時間、休日8時間ほど勉強しており、おおよその時間を求めると400時間だった。

この事実から、TOEICスコアを上げるにはそれなりの努力や覚悟が必要だということがわかると思う。

ただし、400時間がむしゃらに勉強すればいいのかというとそうではない。

勉強時間とスコアは比例しない。先程の指数関数のグラフやスコアの上がり方から分かる通り、満遍なく実力が上がって始めてスコアに反映される。

スコアを上げるためには先ほど書いたようにインプットとアウトプットを組み合わせながら、基礎がため、問題演習、実践演習の順でこなしていく必要がある。

スコアを上げるために、何をどれだけやるかを納得した上で勉強を続けた。

その結果として、400時間以上の勉強時間が必要だったということだ。

時間をこなして満足するのではなく、自分がどうすれば成長できるか戦略を立てながら勉強を続けるべきだ。

まとめ

僕の体験談を元に、勉強時間や勉強方法について紹介した。

知識を満遍なく身につけないとTOEICのスコアは上がらない。スコアを伸ばすには英語力だけでなく問題処理能力も必要だ。

蓄積された知識、実践力、問題処理能力が組み合わさって初めて点数が上がる。スコアが上がらなくても知識は確実に増えているので挫折しないで勉強を続けないといけない。

基礎固めはインプット中心で、こまめに軽めにアウトプットして知識の定着を心がける。問題演習ではアウトプットの量を増やして応用力を磨き、実践演習までこなして初めてスコアが上がる。

これらの勉強法を参考に、TOEICのスコアアップに役立てて欲しい。

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