世界・海外

ユースホステル・ドミトリー 泊まり方

ユースホステルという言葉を聞いたことはあるだろうか。

英語で書くとYouth Hostelで、元々は金のない若者向けの安宿が始まりだ。普通のホテルとは違い、複数人を1つの部屋に宿泊させる。安くて経済的なので、特に物価の高いヨーロッパやアメリカを旅行するときに役立つ。僕自身もヨーロッパやアメリカ、東南アジアでもよく利用した。

安くて経済的である一方、見ず知らずの人たちが同じ部屋に泊まるのでセキュリティ面での不安もある。

また、トイレやシャワーの使い方も注意してもらいたい点がある。これらの相部屋形式の部屋の攻略方法を覚えている範囲で備忘録も兼ねて書いていこうと思う。

ユースホステルとは?ホテル、ドミトリーとの違いは?

ユースホステルはドイツが発祥らしいので、ヨーロッパあたりでよく見かける。似たようなもので東南アジアの場合はドミトリーというものがある。

両者は実質的には同じで、大抵は1つの部屋に2段ベッドが3〜5個くらい詰めてあり6〜10人まで泊まれる。元は若者向けだが今日では年齢の区別はほとんどなく(たまに35歳くらいまでという制限付きのものもある)おそらく誰でも泊まることができる。

おそらくユースホステルの場合は、ホテルに対して安宿としてのユースホステルという施設そのもののことを言っている。

対してドミトリーは、今までいろいろなサイトやガイドブックを見てきた限り、ゲストハウスの中のダブル、シングル、ドミトリーという部屋の種類のことだと思う。

施設の名前部屋の形態
ホテルトリプルダブルシングル 
ゲストハウス ダブルシングルドミトリー
ユースホステル   ドミトリー

最近はユースホステルでもダブルやシングルがあったりするので一概には言えないが、大体こんなイメージ。

値段

地域によって異なる。一泊の料金はアメリカは東海岸と西海岸は4000〜7000円、西ヨーロッパは2000〜5000円、東南アジアは300〜1000円くらい。

アメリカではサンフランシスコとニューヨーク、ボストンが高かった。西ヨーロッパはロンドンやパリやスイス、ベネチアが高く、スペインやイタリアは安め。

東ヨーロッパは行ったことはないが、ガイドブックによると一泊1000円台から泊まれるようなので安くヨーロッパに行きたいなら東ヨーロッパ、あるいは東欧とか中欧と呼ばれる地域が良さそう。チェコ、ハンガリー、ポーランド、スロヴァギアあたりだろうか。

東南アジアは比較的タイが安さの割に清潔でクオリティが高いと感じた。(しかし運良くあたりの宿を引いていただけだった。不衛生な感じのところもある。)

部屋の様子

大抵は2段ベッドが3〜5台並んでいる。たまに1段ベッドのこともある。

ロッカーが付いているところもある。鍵は自分で用意してもいいし、レセプションで売っている場合はその場で購入できる。

カーテン・コンセント・読書灯

アジアは欧米に比べてプライバシーを重視していると思う。そのため東南アジアでは欧米に比べてカーテンが付いていてるものもある。

カーテンがあれば勝ち。プライバシーが守られるだけだなく、夜に誰かが電気をつけても眩しくないし、逆に自分が何かしている時でも周りに迷惑をかけずにいられる。

また、ベッドごとにコンセントと読書灯が付いていることもある。コンセントは部屋の一角にまとまっていることもあり、そのような場合は延長コードを伸ばすか、スマホをコンセント地帯に放置するしかないので不便だ。なのでベッドごとについていれば勝ち確。

読書灯はカーテンがあればほぼ付いているし、逆にカーテンがないと付いていないない可能性が高い。

勝ち確なベッドの図。贅沢にもコンセントが2つもついている。

ベッドにカーテン、コンセント、読書灯が付いていたらかなりラッキーだ。これらはもはや3種の神器といってもいいかもしれない。あるのとないのとでは快適度が全然違う。個人的には無ければ無いで割り切れる(やっぱ欲しい)が、気になる人は宿を予約するときにサイトの画像や口コミを見て判断しよう。

コミュニケーション

まず(内向的な人の)一番最初の関門が部屋に入る時だ。同じ部屋の人と無理に会話をする必要はないが、最低でも入室したら顔を見て挨拶はしよう。挨拶がきっかけで仲良くなるかもしれないし、声かけと顔の把握で盗難などの被害軽減につながる可能性もある。最初の印象大事(笑)。

もっとも、ある研究では最初の印象が良くてもその後にイメージダウンするとむしろかなり印象が悪くなるらしい。その逆も然り。

宿泊客の人種

宿泊客の人種的には、ヨーロッパでは白人率高めで東南アジアは白人とアジア人が半々くらい。白人は多い。アメリカやヨーロッパでは大学卒業後すぐに就職せず世界中を旅する人が多いらしいのでそれが関係しているみたいだ。

予想していると思うが似たような人種で固まりがち。会話で人種の壁を取り払いたい(願望)。

セキュリティ

ここまで見てもらった通りで、個室がないと、見ず知らずの人と同じ部屋だとやっぱり盗難の心配があると思う。写真に示すようなセキュリティボックスが付いている部屋もあるが、残念ながらない部屋もある。

また、あったとしても中には鍵を破壊して中身を持ち去る人もいるようなのでぜったに安全というわけではない。幸いまだこのような被害にあったことはないしこれからもないことを願う。鍵を貸してくれるところもあれば持参しないといけないところもあり、その場合はレセプションで鍵を売っている場合もある。

貴重品はなるべく人目につかないように出し入れする、シャワーに行くときは貴重品を身につけると言ったことを心がけよう。結局は貴重品は自分で守るしかない。

共有スペース

欧米の場合はかなり広く、テレビを見たりソファでくつろいだり、机で何かしらの作業ができたりとかなり充実している。

カフェやレストランが併設されていることも多い。その場合はパンやシリアルやヨーグルトなどの簡単な朝食を無料か割安価格で食べることもできる。

また、キッチンが付いていることが多く、特にアメリカのHI(Hosteling International)系列のホステルに止まったときは、場所によって差はあるが冷蔵庫、冷凍庫、食器、電子、レンジ、コンロ、オーブン付きというかなりの充実度だった。

近所のスーパーに出向いて食材を買って調理することで現地での生活感を味わうことができるので、こういったキッチンは個人的にかなり気に入っている。

ただし買ってきた食材は名札を貼って共有の保管スペースにしまうだけなので、完全に宿泊者の良心に委ねられることになる。HIニューヨークに泊まったときに買ってきたアイスが盗み食いされたのは今思い出しても腹わたが煮えくり返るような思いだ(笑)。

東南アジアの場合は共有スペースは欧米ほど充実していない。

トイレ・シャワー

このような相部屋だとセキュリティ問題に目が行きがちだ。しかしシャワー・トイレ事情もかなり重要だということを強調したい。清潔さや装備、設備によって快適度が圧倒的に違う。

大きく分けて、部屋に併設されている場合と、共有の場合の2種類に分けられる。

部屋に併設されている場合

ほぼ間違いなくユニットバス。

ユニットバスとはシャワーとトイレが共存している空間のこと。トイレとシャワーがカーテン一枚で区切られている事が多い。

メリット

  • 使用人数が同室者に限られる。大勢の人が使い過ぎないため汚れる可能性が低い。
  • 忘れ物を取りに行きやすい。

デメリット

  • ユニットバスの性質上、誰かがトイレかシャワーを使っている場合は他の人が使えない。
  • 順番待ちとかを考える必要がある。
  • 夜遅くに入ると音が迷惑。

共有の場合

各フロアごとにいくつかのトイレとシャワーがまとめられているタイプ。

メリット

  • シャワー室が2〜5室くらいまとまっているため、順番待ちを気にしなくていい。
  • 誰かが使っているため入れない、という事が少ない。
  • 夜に使っても周りに迷惑にならない

デメリット

  • 大勢が使うため汚れがち

個人的には部屋ごとにあるよりも共有タイプの方がいい。

例えば暑い国で、自分が夜遅くに帰ってきてシャワーを浴びたいと思ったとき、音が迷惑なんじゃないかと思って浴びるのを躊躇うことがある。反対に、誰かが夜にシャワーを浴びると音が気になることがある。順番待ちで急がないといけなかったりもする。

ベトナムのホーチミンで、12人部屋でユニットバスが部屋に1つしかない宿に宿泊した事がある。使用人数が多くなかなかシャワーやトイレを使えずに苦労したのを覚えている。その上、ユニットバスの鍵が壊れて中に誰かが閉じ込められてしまい、一時完全に使用不能になる事態が発生した。

こういったこともあるので共有のトイレ・シャワーがある宿のほうがいい。

清潔さ

潔癖症の方には残念なお知らせだが、正直にいうと汚いことを覚悟しておこう。

特にヨーロッパはあまり掃除をしないようなので結構汚い。(多分使い方も汚い?)高いのに汚いという不条理。東南アジアは500〜600円台でもヨーロッパより掃除が行き届いていて綺麗なこともある(もちろん汚いところもあるが)。

アメリカは高いだけあって意外と綺麗なので安心して欲しい。一番汚そうなイメージがあったニューヨークが実は1番綺麗だった。従業員が多かったので掃除は頻繁にしていたみたいだ。

付け加えると、アジアは靴やサンダルを脱ぐのに対し欧米は土足が基本なのでその分汚くなりがち。

清潔さに関しては部屋に併設しているタイプの方は使用者が必然的に6〜10人に限られてくるので綺麗な傾向がある(と感じた)。

シャワーの使い方

ここから実践編

シャワーの装備の違いが、快適度の決定的差になるということを教えておこう。海外の安宿に泊まるならば、シャワー用品として以下の3点を抑えておこう。

  • フック付きの化粧品ケース
  • S字フック
  • ビーチサンダル

まずフック付き化粧品ケース

これは無印のフック付き化粧品ケース。フックがあるので壁に引っ掛ける事ができる。

容量も大きめなのでこの中にシャンプーや石鹸、貴重品などを入れることができる。普通の収納ケースとしても使えてカバンやスーツケース内の整理に役立つので買って損はない。

しかしこの場合は壁にフックをかけるところがあるからあるからいいが、そんな設備がないこともある。そういたときにS字フックが役立つ。

S字フックを扉にかければ化粧品ケースを引っ掛けられるようになる。そのほか、駅や街中のトイレに必ずしもバッグをかけておくフックがあるとは限らないのでそういったときに重宝する。

ビーチサンダルはシャワー室にいくまでに必要だ。スニーカーしか持っていないとシャワーで濡れて大変だし、スポーツサンダルもやや不便だ。ビーチサンダルなら簡単に履き脱ぎできるし濡れてもすぐ乾くので便利。

できればシャワーに行く前にどんな感じか確認したほうがいい。そうすれば何を持っていけばいいかわかる。

シャワーのタイミングも付け加えておこう。

夕方暗くなる前くらいの時間帯は比較的綺麗な状態か、うまくいけば掃除したてで使うことができる。掃除は昼過ぎから夕方くらいに行われる事が多いからだ。

また、その時間帯にシャワーを浴びる人は少ないので順番待ちなどを気にする心配も少ない。使う時間が遅くなると誰かが使った後でベシャベシャ。

暑い地域に旅行に行く場合は、午前中から午後にかけて観光し、15〜16時くらい宿に戻り、シャワーを浴びた後に仮眠。夜7時の涼しくなる頃に活動再開というスケジュールが多かった。

持ち物に関する注意

圧縮袋

よく旅行用に圧縮袋が活用されるが、相部屋では向かない。使ったことがあればわかるが空気を抜く音が結構うるさい。朝早い出発あるいは夜遅くの到着の場合、荷造り・荷ほどきの際にかなり大きな音が出てしまう。寝ている人がいるかもしれないので注意だ。

延長コード

部屋によってはコンセントが少ないとか遠いことがある。そういうときにあると便利。

上着

エアコンが効き過ぎて寒いこともあるので暑い国でもあると便利。

バンコクのある宿に泊まったとき、2段ベッドの上の段ですぐ隣にエアコンがあって風が直撃して風邪を引いたことがある。また複数人で泊まる場合、人によって寒暖の感じ方は違うのでエアコンの温度を低く設定されることもあり、それで風邪をひく可能性もあると思うので上着は必須。

バスタオル

バスタオルの貸し出しがあるところと無いところがある。チェックイン時に部屋の鍵と一緒に渡してくれるか、言えば貸してくれることもある。持参するか現地で調達しよう

シーツ

大抵はシーツ貸し出し無料だが、中には有料のところもある。

シャンプー、ボディソープ

基本は持参。たまに備え付けられていることもある。

歯ブラシ

持参

まとめ

ユースホステルやドミトリーという相部屋の宿についてできる限りまとめてみた。安さというメリットがある一方でデメリットもあるのがわかったと思う。しかしこれらのデメリットも宿の使い方や持ち物次第ではある程度は緩和できることもわかったと思う。そしてキッチンや共有スペースの充実度などユースホステルならではのメリットもあることがわかってもらえたはずだ。

海外旅行に行ってみたいが何を用意すればいいかわからない、安く旅行したいけどユースホステルって実際のところどうなの、という人に少しでも役に立てればいいと思う。持ち物や町歩きでの注意点はあれど、宿の使い方に関する実際的な手法はガイドブックにはほとんど乗っていないので、この記事を通してイメージしてもらえればいいと思う。

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